みなさま、こんにちは✨
相続&個人事業主専門の税理士 中澤君衣(なかざわきみえ)です。
前回のブログで遺言のメリット・デメリットをご紹介しました。
今回は私たちの経験上、「(良くない意味で)この遺言はちょっと・・・。」という遺言の特徴をご紹介したいと思います。
税金のことが考えられていない遺言
遺言を書くことが入口だとすると、税金がかかるのは出口です。
この入口部分で満足してしまう遺言を拝見することがあります。
そのため、ご相続が発生して遺言を見てみると、財産は渡したい人に渡っていますが、
税金がこんなにかかるとは思わなかった!という例です。
税金を度外視してもこの財産をこの人に渡したい!という場合はよいのですが、税金面も気にされる場合は要注意です。
実際税金を気にされない方はあまりお会いしたことがないですが…(笑)
遺言は、ご自身で書かれる場合もあれば、専門家や銀行のサポートを入れて書く場合もあります。
専門家が入っていても、その専門家が相続に詳しい税理士でない場合は、税金のことがすっぽり抜けていることがありますので注意が必要です。
専門家や銀行にサポートをお願いする場合は、「税金面はどうなのか?」という視点を意識してオーダーしてみてください。
解釈に困る遺言
これは先ほどの税金面が考慮されていない遺言にも通じるものがあります。
私たちが遺言でチェックするポイントは、
①遺言の形式が法律に沿って書かれているか(法務面からの検討)
②①を前提とし、税法に当てはめるとどうなるか(税務面からの検討)
です。
遺言は法務面での形式が整っていることが大前提となります。
この形式を無視してしまうと、遺言者のご意向に沿った解釈ができず、場合によっては無効となってしまう可能性があります。
また、私たちは税理士ですので法務面について迷ったときは司法書士さんや弁護士さんに相談するようにしています。
”とりあえず書いておきましょう”という遺言
相続が発生した際は、遺言ではなく遺産分割協議により財産を取得できるということは前回のブログでもお伝えしました。
じゃあ、とりあえず遺言を書いておいて、実際相続が起きたら遺言の一部分を放棄できるのでは?
と思った方もいらっしゃると思います。
残念ですが、それはできません。
相続放棄は0か1かのお話です。一部だけもらって一部はいらないということはできませんのでご留意ください。
他にも注意点はありますので、気になった方はご相談ください。