みなさま、こんにちは✨
相続&個人事業主専門の税理士 中澤君衣(なかざわきみえ)です。
万が一が起こったときに備えて遺言を書きましょうということはよく耳にすると思います。
遺言書キットが売っていて自分で手軽に遺言を書くことができるようになりました。
ご本人もご家族も遺言があれば安心と思われる方が多いでしょう。
遺言のメリットはもちろんあるのですが、注意点もありますのでご紹介します。
(1)ご本人の意思を家族に伝えることができる
遺言を書くことで、誰に、何を、どのくらい渡すかを示すことができ、そのとおりに財産を渡すことが可能です。
自分が亡くなったあとは家族に揉めてほしくないというケースでは有効でしょう。
(2)相続人の手間を軽減できる
基本的に遺言がない場合は遺産分割協議をすることになります。
つまり、話し合いで誰が財産を相続するか決めるということです。
遺産分割協議はすぐに決まる場合もありますが、時間がかかるケースもありますので、遺言があることで相続人の手間や時間を軽減できるかもしれません。
(1)相続開始時点で遺言に書かれている財産が残っているとは限らない
遺言を書いた日と相続開始日が近ければそこまで財産内容の変動は大きくないでしょう。
しかし、相続開始日よりも随分前に遺言を書いたケースですと財産内容に大きな変動がある可能性があります。
例えば、遺言には「△△銀行の預金1,000万円を□□に相続させる。」と書いてあっても、相続開始日の残高がゼロ円という可能性も出てくるのです。
このようなことにならないよう、遺言作成は慎重にされることをおすすめします。
なお、遺言の書き方については後日ブログで紹介予定です。
(2)遺言が採用されないことがある
ご相続が発生して遺言を見てみたら、相続人の方が納得する内容ではなかったということがあります。
上記(1)の例も当てはまりますね。
この場合、条件を満たせば遺言ではなく、遺産分割協議により財産を取得することができます。
【条件】
①遺産分割協議を遺言で禁止していないこと
これは民法907条に規定があります。遺言で遺産分割協議を禁じる記載がある場合は遺産分割協議ができません。
②相続人(受遺者)全員の合意があること
受遺者とは、相続人以外で財産をもらう人のことです。
③遺言執行者の合意があること(遺言で遺言執行者の指定がある場合)
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理などの必要な手続きの一切を担う人のことです。
相続人は遺言執行者の妨害をすることができません。
遺言を実現させることが遺言執行者の責務ですから、合意がなければ遺産分割協議ができないことになります。
遺言は正しく形式に則った形で記載されている場合は有効な手段ですが、注意点もあることをこのブログを通じて知っていただけたら嬉しいです。
これから書こうと思っている、あるいは書いたけど書き直してみようかなと思った方は参考にしてみてください。