みなさま、こんにちは✨
相続&個人事業主専門の税理士 中澤君衣(なかざわきみえ)です。
前回は、障害者控除の基本的なことをご紹介しました。
今回は、適用に関するポイントをお伝えします。
障害者手帳を持っていなくても適用可能な場合がある
障害者であることの証明として、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳があります。
障害者控除の適用を受けるには、相続開始時点で障害者であることが条件となります。
じゃあ手帳を持っていない(これから申請する)場合は?と疑問に思いますよね。
実は、要件を満たせば手帳を持っていなくても適用できます(相続税法基本通達 19の4-3 障害者として取り扱うことができる者)。
【要件(どちらも満たす必要があります)】
①相続税の申告書の提出期限までに手帳を持っていること or 手帳の交付を申請中であること
②手帳の交付を受けるための医師の診断書等により、相続開始時点で手帳に記載される程度の障害があると認められること
もし相続開始時点で手帳を持っていなくても適用できる可能性がありますので、該当する方は検討してみてください。
医師の診断書が必要ですので、事前に書いてもらえるかよく相談&確認しておくことをおすすめします。
成年後見人を選任しなければならない可能性がある
これは主に精神障害や知的障害をお持ちの方に関するものです。
判断能力(自分で理解し、判断できる力)がない、あるいは乏しいと医師に判断された場合は、お一人で法律行為ができず、成年後見人などにお願いしなければならない可能性があります。
法律行為とは、例えば不動産の売買や遺産分割協議などを指します。
もし判断能力が低下し単独では判断できないということになると、家庭裁判所に申立をし、成年後見人などを選任することになります。
この選任には最低でも約2ヶ月ほどかかり、費用もかかります。
障害者であることにより障害者控除の適用が受けられたとしても、法律行為が制限される場合があるので合わせて検討が必要です。